普天間移設が火種、“政争の島”再び二分か(読売新聞)

 鹿児島県の徳之島が沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題で揺れている。

 政府が検討している米海兵隊の訓練移転に多くの島民が反発する一方、経済効果に期待する島民は基地誘致に向けた署名活動の準備を始めた。かつて激しい政争で知られた島は、再び二分されかねない状況になっている。

 「この畑も軍用地になるのかな」。青く澄み切った海に面した畑で、特産の春ジャガイモの収穫に追われていた盛猛朗さん(25)(伊仙町)が、不安そうな表情を浮かべた。黒毛和牛の子牛とジャガイモの生産で、妻(24)と長男(1)を養う。「牛は騒音などのストレスでエサを食べなくなる。ヘリが来れば、島外に出るしかないかも」と言葉にも力がない。

 1月に島が基地移設先として浮上した直後、反対する島民約50人が「徳之島の自然と平和を考える会」を結成。沖縄の米軍被害などの勉強会を重ねてきた。中心メンバーでメロンなどの栽培農家、松村博光さん(63)(天城町)は「まじめに働けば、十分に食わせてくれる環境こそ島の誇り。移設など許されない」と力を込める。7日には約500人が参加する集会を開く。

 ただ、島は反対一色ではない。2月24日、島内の全戸に「基地移設の前提条件を考える」として、〈1〉60歳以上の島民に月10万円の特別年金支給〈2〉島内3町に全天候型の闘牛場設置〈3〉害虫のアリモドキゾウムシ駆除――など15項目の要求案を記したチラシが配られた。

 考案したトレーニングジム経営、谷岡一さん(57)(徳之島町)は「基地は島の経済の起爆剤になる」と訴える。仲間5人と3町長に住民投票の実施を要請したほか、近く政府に移設を求める署名活動も始めるという。「賛成派はまだ少数。でも、良い条件を引き出せれば、島民の多くは賛成するはず」と強調する。

 島は衆院選が中選挙区制で行われた1980〜90年代、全国唯一の1人区だった旧奄美群島区。保岡興治、徳田虎雄の両氏が島を二分する激しい選挙戦を繰り広げた。「保徳代理戦争」と呼ばれた91年の伊仙町長選では、町民同士の衝突や役場への投石騒ぎが起き、機動隊が投入された。

 小選挙区制導入後、両氏が別々の選挙区から出馬したこともあり、島は近年、ようやく落ち着きを取り戻した。伊仙町の大久保明町長(55)は「住民投票などで再び混乱が生じることは、避けなければならない」と警戒を強めている。(松浦篤)

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2010-03-10 22:58  nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 

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元鹿児島県民

 元鹿児島県民です。本来は匿名コメントはしない主義ではあるのですが、政治ネタだと炎上だのサヨクによる言論封殺が怖いので、匿名をお許し下さい。貴兄におかれましても、拙コメントで炎上したりするようなリスクに鑑みれば、拙説に賛成の場合も含めて、当発言を削除していただいて構いません。

 まず、政治対立の火種になりかねないことや、この問題が是だったとした場合でさえ、土地収用などの副作用が及び得る職を営んでいる点について、状況について心中をお察し申し上げます。

 私は、賛成・反対両派共に、最も重要な論点が抜け落ちた主張をしていると思いますので、論点が全くズレていると思います(「ズレている」というのは、貴兄に対してではありません。誤解を避けるべく念のため)。最も重要な論点とは、対中国防衛策です。この点が抜けているのではないでしょうか。

 ハッキリ言って、自衛隊単独では鹿児島県・沖縄県の日本の南西諸島を守りきることは不可能であり、日本の南西諸島が中国にとって外洋への出口を塞いでいる以上、海洋地政学的に日中は潜在的に仮想敵国です。そして、沖縄や奄美諸島が「第2のチベットや東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)」のような漢民族による虐殺・弾圧の嵐と化すことを未然防止するためには、米軍の駐留は必要不可欠です。

 賛成派でさえも見事にこの観点が抜け落ちているのは、論点がズレていると思う訳です。もちろん、米軍兵士の犯罪は論外です。でも、米軍自体が認めていない犯罪が「(米軍)当局の意図に反してヒトが住むことにより、一定の確率で生じてしまうこと」と、対して中国の場合、「(人民解放軍当局の)意図に基づいて苛烈な弾圧が行われる」のと、どっちの方がまだマシかという、ありがたくない二者択一を考えなければならない、というのが冷厳な国際政治の実状です。どちらも嫌だというのは、現下の日本の弱い軍事力に鑑みれば、物理的に実現不可能です。

 民主主義は、意志決定手続きの正統性を保証するものではあっても、意志決定内容の正当性を保証するものではありません。ハッキリ言って、一億総安全保障音痴である日本の場合、安全保障問題に関しては民主主義はポピュリズム(衆愚政治)をもたらすリスクの方が大きいと思います。現下の沖縄県はハッキリ申してこの状況にあろうかと思いますが、であれば、基地を徳之島に誘致すれば、最悪のシナリオとして沖縄県が中国からの侵攻を受けて沖縄県民が漢民族から大虐殺を受ける日が来てしまっても、奄美諸島だけは逃げ切れる確率が上がると思います。

 ただし、軍施設がハッキリ言って迷惑施設である点に相違はありません。そこでよく出て来るのは「総論賛成、各論反対」で、「メリットは享受したいけど、身近には来て欲しくなくて副作用(デメリット)は回避したい」という本音でしょう。特に、移転先候補の島の場合、「土地収用」という明らかな経済利害上の副作用(デメリット)があるため、全員が賛成することは考えられません。このような場合に対処しなければならない施策のことを経済学の専門用語では「取引コスト」と申しますが、政府側にとっては移転の「取引コスト」のために、経済上の「飴」的施策を用意せざるを得ないと思います。

 このような「飴」的施策は政府側にとっては「必要な取引コスト」、受ける側にとっては「放っておくと生じるデメリットに対する補償」として必要不可欠なものではあります。ですが、これは合意のための手段の問題ではあっても、目的ではありません。目的はあくまでも、安全保障上の課題、つまり、住民の命を仮想敵国(=中国)から護ことです。

 賛成派・反対派共に論点がズレていると私が思う理由は、上述のような「手段」ばかりの議論が全面に出てしまい、最大の課題「安全保障の見地」が抜け落ちているからです。賛成派でさえ経済の話しかしていないようですし、反対派の場合には対案として「米軍が沖縄から消えて、鹿児島県にも来なかった場合の防衛策」は一切見られません。

 みんな、有事の際には漢民族から殺されたいのかなぁ・・・と危惧する次第です。

by 元鹿児島県民 (2010-03-28 18:35) 

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